AI NEWSLETTER Vol.52
OCT, 2022
AIニュースレター、52号です。
昨今、世界中で「退職が増えている」ということが話題となっています。
コロナで「YOLO(You Only Live Once)=人生は一度切り」という価値観が広がったことや、在宅勤務で会社と従業員の関係性が希薄化したことなどがその理由だと言われています。実際、弊社にもコロナ以前にも増して、退職率の低減のご相談が増えています。
遠距離恋愛と同じで、人間は顔を見る頻度が下がるとお互いに気持ちが冷めてしまいます。知らない間に従業員の会社に対するロイヤリティが冷めていたということがあちこちで起こっているのではないかと思っています。今回のニュースレターでは「組織の関係性を繋ぎなおす」ことについて取り上げます。
「組織の関係性、壊れていませんか?」
「関係が壊れると何が問題なのか?」
そもそも、関係性が希薄になることがなぜ問題なのでしょうか?「組織のコミュニケーションが大切だ」ということに反論する人は少ないでしょうが、一方で「コミュニケーションをよくすれば業績が上がる」と言い切るのも難しいでしょう。コミュニケーションはこうした曖昧なものですので、大切ではあるが後回しにしがちなものでもあります。
組織における関係性の重要性を説いた「成功の循環モデル」というものがあります。この理論は人間関係こそが企業が結果を出すうえでのベースであると説いています。
人間関係が悪くなると、思考が「他責」、つまり誰かを責めるようになります。何か問題が起きた時に、「●●が悪いのではないか」と疑念を持ち始めます。また、そしてコミュニケーションが攻撃的になったり、あきらめて問題が放置されるようになります。そんな状態だと結果が出ませんので、それによってまた会社にネガティブな雰囲気が広がっていくという悪循環が回っていきます。
一方、組織の人間関係を良好に保てていると、問題が起きてもまず適切に、スピーディーに相談が行われます。一緒に議論して、解決策を導こうという姿勢があれば、現実的なアクションが出てきます。問題に対して適切な対策が打ち出されれば、社員の気持ちは離れませんし、結果として業績も上向いていくという好循環が回るでしょう。
今、皆さんの組織にあるのは悪循環でしょうか。好循環でしょうか。その分岐点は、従業員同士の関係性にあるかもしれません。
関係性を強くするには、「お互いを知る」こと
では関係性を繋ぐためには何をすればいいのか。シンプルに言うと、「お互いのことをもっとよく知る」ということです。
私たちは一緒に仕事をしていても、お互いについて知らないことが沢山あります。「知る」ことは、「好き」に繋がります。お互いのことを好きになれば、それはすなわち信頼やより良いチームワークにつながるのです。
お互いについての理解は、この図の氷山のような状態になっています。氷山の下側、つまり目に見えない部分には「仕事のやりがい」「将来の夢」「なぜ今の仕事をしているのか」など、普段は口にすることはないけれども、大切なことが沢山あります。
先日、ある会社でこうした見えない思いを共有することを行いました。すると、
「何年も一緒に働いているのに、こんなことを考えているなんて知らなかった」
「普段、いかに目の前の仕事の話しかしていないかを改めて感じた」
「こういう場がもっと早く持てていたら、辞めなくて済んだ人もいたかもしれない」
などの感想が沢山でてきました。従業員同士は、血の通ったコミュニケーションを求めているということを改めて感じました。
こうしたコミュニケーションの場のことを「リトリート(Retreat)」と我々は読んでいます。リトリートとは、元々は軍隊の用語で「一時退避」といった意味です。普段の戦いの場所から少し離れて、一呼吸おいてコミュニケーションを取る機会のことをそう呼びます。
日タイの往来も再開し、経済も観光も再び動き出した今、私たちに必要なのはリトリート、一時退避することなのかもしれません。組織に血の通ったコミュニケーションを取り戻す機会を、今一度作ってみてはいかがでしょうか。それがビジネスの再成長に繋がることを我々は信じています。
今回のニュースレターは以上です。お読みいただきありがとうございました!
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https://asian-identity.com/hr-egg-th/newsletter/oct-2022
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