10日間のヴィパッサナー瞑想を終えて ~徹底的な自己観察から見えたこと~
先日、タイのピサヌロークにて10日間のヴィパッサナー瞑想に参加してきました。
誰とも話さず、目を合わさず、一切の情報を遮断し、自分の心の深い部分に向き合う10日間です。
ヴィパッサナー、とは「物事をあるがままに見る」という意味で2500年ほど前にブッダが悟りに至った際の瞑想方法と言われています。世界中に瞑想センターがあり、タイに9つ、日本にも2つあります。
10日間を終えて感じたことを少し、ここで共有させて頂ければと思います。
ヴィパッサナー、つまり「物事をあるがままに見る」ことはとても難しいことです。
自分がいかに思い込みで世界を見ているか、あらゆるものに執着しているか、憎しみ、怒りを抱えて生きているかを強烈に思い知らされた時間でした。
瞑想のインストラクションで何度もアニッチャ「無常」という言葉が登場します。
全ての物事や出来事は生まれては消え、生まれては消えていく。
この一瞬一瞬のすべてが変化している。
自分の苦しみの原因、つまり何に執着しているか、をただ観察し、消えていく過程を見つめる10日間。潜在意識と顕在意識のはざまを彷徨うような日々だったなと思います。
毎日、朝の4時半から夜の9時半までタイムテーブルがあり、計10時間の瞑想が10日間続きます。
主には下記のような守らねばならない事項があります。
・10日間誰とも話してはいけない
・10日間誰とも目を合わしてはいけない
・スマホ、PCは禁止(預けなくてはいけません)
・一切のスキンシップ禁止
・筆記具、本など書くことや読むことは禁止
・ヨガ、その他スポーツは禁止
10日間、一切のコミュニケーションを遮断し外部からもたらされる影響を排除し、ただ内にうちに向き合うことを余儀なくされます。
スマホやPCが無いこと、誰とも話さない、目も合わさない、ということに関して私自身そこまで苦にはならなかったのですが、徹底的に自分と向き合う、自己観察するという作業が時に苦しく、涙が止まらなくなる瞬間が幾度となくありました。
そもそも長時間座ることが苦痛だったのですが。
しょうもないことから、過去に起こったこと、怒り、満たされなかった思い
達成できなかったこと、後悔していること、伝えきれなかった思い、未来への不安・・
そんなことが頭をぐるぐるして
心、というものは常に現在、という瞬間に留まることを拒み
常に過去や未来にとらわれ、止まらない考えを巡らせている。
心というのは、今から逃げる習性を持つようです。今に向き合うことより、その方が楽なのかもしれません。
私が瞑想に参加した理由は、単純にブッダが解脱にいたった瞑想方法に興味があったことに加え、自分がいつしか自分の心にコントロールされ、自分が心をコントロールできなくなってきた、というのがあります。(ちょっとわかりづらいかと思いますが)
変わりたい、のに何かが邪魔をして変えることのできない苦しさから目を背け、何となく毎日を過ごしていました。周りのやさしさに甘えて。
結局、苦しみを生み出していたのも自分
問題と捉えていたのも自分
いつも自分の外側に起きる出来事に目を向け、
外側を変えようとし、時に事象から逃げ、自分を変えようとしなかった。
起こる外側の事象を起こるままに捉えず、自分のみたいように世界を見て勝手に傷ついていたのです。
この、自分にすべての原因があった。
「今、いるところから自分を変えて前を見てちゃんと生きよう。」
そんな簡単な答えを得るのに思ったより遠回りをした印象で
やっぱり自分は少しも賢くないな、と思いました。それもわたし、かと。
必要な時期に必要な人と会い、必要な体験や学びを得る。ただそれだけ、です。
人はいつも自分の何々、に執着します。
自分という存在、自分の親、自分の友人、自分の恋人、自分の子ども、自分のもの、
自分のお金、そして特に「自分の考え」というものに。
自分の何々に翻弄され、否定されることを恐れる。
それはどれほどの価値があり、守らねばならないものなのでしょうか。
「心の手術」という言葉が瞑想のインストラクションや講和の中で何度も登場します。
心の深いところまで入りこむ荒療治を経て、自分がこんなに変わりました、なんてとても言えません。気づきを得た、とは言えます。変わるためには日々、実生活において地道な努力が必要だからです。
「本当の知識とは人から伝え聞いたり書物を読んで得たものではなく、自分自身が体験したもののみを指す」
瞑想のインストラクションの中の言葉です。
自分が行動を起こし、経験したことがすべて。
一歩一歩進むことで変化を実現していこう、と思っています。
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リーダーシップの旅(33期)~タイで自分の軸を見つける~ (タイ人向け)
本ワークショップでは、参加者同士の深い語り合いや内省を通じて新たな自分を発見していきます。あるいはチームで団結して困難なワークに挑む中で、影響力の発揮の仕方についても学んでいきます。最終的には、3年後のありたい姿を描き、それを宣言します。
新卒で株式会社インテリジェンスに入社(現:パーソルキャリア)人材紹介と求人広告の営業を行う。その後、タイでの進出コンサルティング、日本での営業研修・採用アウトソーシングの仕事を経てAsian Identityに入社。
モットーは、「To be present:今に在る」。